「木々との対話」展など 東京都美術館
都美術館に「ポンピドゥー・センター傑作展」を見に行きました。
ところが順路をまわっていたら、窓から別会場ギャラリーAのインスタレーションが。
木で組んだその巨大な作品に心がわしづかまれ、「木々の対話展」に。
(ちなみにほかの展示の半券があると入場料がお得に!)
鑑賞スタートは、外にある展示物から。
古いイチョウの木があり、その割れ目や傷跡の迫力にしみじみ圧倒されてまじまじと見て、「これが木々と対話するってことか~」って思ったんですけど。
このイチョウのまわりに敷き詰めてある鋳鉄ブロックが作品だったもよう。やはりおしゃれは足元から・・・。
そして内部での巨大作品がこちら。高さ10Mぐらい(もっと?)ありそう。
國安孝昌”CHI VIA PIANO VA LONTANO 2016″(静かに行く人は、遠くへ行く。)
その形状はもとより、丸太と陶ブロックを積み重ねていく作業時間の累積に思いを馳せるとめまいがします。その驚嘆すべき物量は、美術館建物内部を原始的で呪術的な空間に転化していきます。
この作品の右側に見えるのは須田悦弘「ユリ」。
崖に見立てられたような壁面に可憐に咲いています。
繊細な土屋仁応作品は黒い空間に白く浮かび上がるように展示されており、さらにさらに幻想的でした。
内容を見るまでは地味な印象のある企画展でしたが、木という素材の懐の深さ、そしてその深さゆえに作家に生じてくる飽くなき問いかけを実感します。
あっ、そういえば、ポンピドゥー展の話をすこし。
ピカソの描線の凄さに驚きました(いまさら!?)。実は今までピカソ展や、ある程度ピカソ作品がまとまった数がある展示しか見たことがなかったのでわからなかったけれど、様々な作品の中にピカソ作品が1点だけあるという状況になってはじめて、その作品に内在する意志の強さと技巧が桁はずれであることに気が付きました。鈍感で恐縮ですが、今回はそんな新鮮な感動がありました。
ま、いろいろな展示形態によって新たに作品をとらえなおせる、ということでございます。
おわり。